[PR]100万円が無料で当たる!:今すぐ応募して現金を当てよう!

機動戦士ガンダムSEED PHASE-08「敵軍の歌姫」

脚本:両澤千晶



ナレーション「コズミックイラ70、血のバレンタインの悲劇によって、地球、プラント間の緊張は一気に本格的武力衝突へと発展した。誰もが疑わなかった数で勝る地球軍の勝利。が、当初の予測は大きく裏切られ、戦局は疲弊したまますでに11ヶ月が過ぎようとしていた」

(AAドック)
キラ「救命ポット……?」
ナタル「つくづく君は、落し物を拾うのが好きなようだな」
マードック「開けますぜ」

(銃を構えるAA下士官達。開くポット)

ハロ「ハロ!ハロ!ハロ、ラクス、ハロ!」
ラクス「ありがとう、ご苦労様です」
一同「……」
キラ「……」



(OP)




(ドック)
ラクス「あら?あらあら?」
ハロ「ハロ?ハロハロ?ハロ、ラクス!」

(キラがただようラクスの腕を取る)

ハロ「ハロ!ハロ!」
ラクス「ありがとう」
キラ「あ……いえ……(顔を赤らめながら)」
ラクス「……あら?(キラの腕の印を見て)あらあら?まあ、これはザフトの船ではありませんのね」
一同「……」
ハロ「ソウダナー!」
ナタル「…………」
マリュー「はい……?」
キラ「あ、あ……(まだ顔を赤らめながら)」

(ザフト軍宿舎)
(シャワーを浴びるアスラン。部屋に呼び出し音が響く)

アスラン「ん……?(モニターを操作し)アスラン・ザラです」
オペレータ「認識番号285002、クルーゼ隊所属アスラン・ザラ。軍本部より通達です」
アスラン「は!」
オペレータ「ヴェサリウスは予定を35時間早め、明日18:00(ヒトハチマルマル)の発進となります」
アスラン(ん……?)
オペレータ「各員は1時間前に集合、乗艦のこと。復唱の後、通信受領の返信を」
アスラン「ヴェサリウスは明日、18:00(ヒトハチマルマル)発進。各員1時間前に集合、乗艦。アスラン・ザラ了解しました」

(モニターを切り、ニュースをつける)

ニュースキャスター「この船には今回の追悼式代表を務める、ラクス・クライン譲も乗っており安否が気遣われています」
アスラン(ん……?)
アスラン「!……!」
ニュースキャスター「繰り返しお伝えします。追悼式典慰霊団派遣準備のため、ユニウス7に向かっていた視察船、シルバーウィンドが昨夜消息を絶ちました」
アスラン「……!?ラクス……」

(AA一室)
ラクス「ポットを拾っていただいて、ありがとうございました。わたくしはラクス・クラインですわ」
ハロ「ハロ!ラクス、ハロ!」
ラクス「これは友達のハロです」
ハロ「ハロハロ!オマエモナー。ハロハロ」
マリュー「ふぅ……」
フラガ「やれやれ……」

(AA一室の外)
トール「なんて言ってる……?」
カズイ「聞こえない、黙ってよトール」
サイ「おまえら、静かにしろって……!」

(ドアが開く)

ナタル「お前達にはまだ、積み込み作業が残っているだろう!さっさと仕事に戻れ!」
キラ「(ラクスに手を振られ)え?あ……(立ち去る)」
フラガ「クラインねぇ……かのプラント現最高評議会議長もシーゲル・クラインと言ったが……」
ナタル&
マリュー
「……?」
ラクス「あら!シーゲル・クラインは父ですわ。ご存知ですの?」
フラガ「っ。ぁぁ……(呆れる)」
マリュー「はぁ……そんな方が、どうしてこんなところに?」
ラクス「わたくしユニウス7の追悼慰霊のための事前調査に来ておりましたの。そうしましたら、地球軍の船とわたくしどもの船が出逢ってしまいまして……」

(AA外)
(氷を運び込むストライク)

ラクス「臨検するとおっしゃっていたので、お受けしたのですが……。地球軍の方々にはわたくしどもの船の目的がどうやらお気に障られた様で……些細ないさかいから船内はひどい揉め事になってしまいましたの……。 そうしましたらわたくしは周りの者たちにポットで脱出させられたのですわ……」
マリュー「なんてことを……」
フラガ「それで、あなたの船は?」
ラクス「わかりません……。あの後、地球軍の方々もお気を鎮めてくださっていればよいのですが……」

(プラントドック)
アナウンス「ヴェサリウス発進は定刻通り。搭乗員は12番ゲートより、速やかに乗艦」
アスラン「あ……(ザラとクルーゼに敬礼して通り過ぎようとする)」
ザラ「アスラン」
アスラン「……(止まる)」
ザラ「ラクス嬢の事は聞いておろうな」
アスラン「はい……。しかし隊長、まさかヴェサリウスは……」
クルーゼ「おいおい、冷たい男だな君は。無論我々は彼女の捜索に向かうのさ」
ラクス「でも、まだなにかあったと決まったわけでは……。民間船ですし……」
ザラ「公表はされていないが、すでに捜索に向かったユンロー隊の偵察型ジンも戻らんのだ」
アスラン「……!」
クルーゼ「ユニウス7は地球の引力に引かれ、今はデブリ帯の中にある。嫌な位置なのだよ。ガモフは足つきをアルテミスでロストしたままだしな」
アスラン「まさか……!」
ザラ「ラクス嬢とお前が、定められた者同士だということはプラント中が知っておる。なのにお前のいるクルーゼ隊がここで休暇というわけにもいくまい」
アスラン「あ、ですが……」
ザラ「彼女はアイドルなのだ。頼むぞ、クルーゼ、アスラン」
クルーゼ&
アスラン
「はっ」
アスラン「……彼女を助けてヒーローのように戻れという事ですか」
クルーゼ「もしくはその亡骸を号泣しながら抱いて戻れ、かな」
アスラン「!?」
クルーゼ「どちらにしろ、君が行かなくては話しにならないとお考えなのさ、ザラ委員長は(立ち去る)」
アスラン「……」

(AAブリッジ)
マリュー「……」

(AA食堂)
(トールとミリアリアがモニターで外を見ている)

(AA一室)
ハロ「ハロ!ゲンキ?ハロ!」
ラクス「…!」
ハロ「オマエ、ゲンキカ?」
ラクス「ハロ」
ハロ「ハイナー、ハイナー!アカンデ〜?」
ラクス「祈りましょうね、ハロ……」

(AA近辺)
ラクス「どの人の魂も、安らぐことのできるようにと……」

(AA廊下)
(偵察型ジンを思い出すキラ)

キラ(!あのジン、もしかして……)

(撃墜の場面を回想する)

キラ「そんな……」
フレイ「嫌よ!」
キラ「?」

(AA食堂)
ミリアリア「フレイ!」
フレイ「嫌ったら嫌!」
ミリアリア「なんでよー!?」
キラ「どうしたの?」
カズイ「あの女の子の食事だよ。ミリィがフレイに持ってって、て言ったら、フレイが嫌だって。それでもめてるだけさ」
フレイ「私はやーよ!コーディネーターの子の所に行くなんて。怖くって……」
キラ「……」
ミリアリア「フレイ……!」
フレイ「あ、も、もちろんキラは別よ。それはわかってるわ……。でも、あの子はザフトの子でしょう?コーディネーターって、頭いいだけじゃなくて運動神経とかも凄くいいのよ。なにかあったらどうするのよ!ねぇ?」
キラ「え!?あ……え……?」
ミリアリア「フレイ!」
カズイ「でも、あの子はいきなり君に飛び掛ったりはしないと思うけど」
フレイ「そんなのわからないじゃない。コーディネーターの能力なんて、見かけじゃ全然わからないんだもの。凄く強かったらどうするの!?ねぇ?」
キラ「……」
ラクス「――まあ、誰が強いんですの?」
キラ達「?」
ハロ「ハーロー。ゲンキ。オマエモナー」
キラ達「!?」



(アイキャッチ)




(AAブリッジ)
フラガ「しかしまあ、補給の問題が解決したと思ったら、今度はピンクの髪のお姫様か。悩みの種が尽きませんなあ、艦長殿(敬礼する)」
マリュー「……。あの子もこのまま月本部へ連れて行くしかないでしょうね……」
フラガ「もう寄港予定はないだろう」
マリュー「でも、軍本部へ連れて行けば、彼女は……。いくら民間人と言っても……」
フラガ「そりゃあ大歓迎されるだろう。なんたって、クラインの娘だ。色々と利用価値はある」
マリュー「できればそんな目にはあわせたくないんです。民間人の、まだあんな少女の……」
ナタル「そうおっしゃるなら、彼らは?こうして繰艦に協力し、戦場で戦ってきた彼らだって、まだ子どもの民間人ですよ」
トール「……!」
マリュー「バジルール少尉、それは……」
ナタル「キラ・ヤマトや彼らを、止む終えぬとはいえ戦争に参加させておいて、あの少女だけは巻き込みたくない、とてもおっしゃるのですか?」
マリュー「……」
ナタル「彼女はクラインの娘です。ということは、その時点ですでにただの民間人ではない、ということですよ」
マリュー「……」

(AA食堂)
ラクス「まあ、驚かせてしまったのならすみません。わたくし、喉が渇いて……。それに、笑わないでくださいね。だいぶおなかも空いてしまいましたの。こちらは食堂ですか?何かいただけると嬉しいのですけど(この間にハロがハロハロ言っている)」
キラ「って、ちょっと待って!」
カズイ「鍵とかってしてないわけ……?」
フレイ「やだ……!なんでザフトの子が勝手に歩き回ってんの!?」
ラクス「あら、勝手にではありませんわ。わたくし、ちゃんとお部屋で聞きましたのよ。出かけてもよいですかーって。それも3度も」
キラ「……」
ラクス「それにわたくしはザフトではありません。ザフトは軍の名称で、正式にはゾディアック・アライアンス・オーブ・フリーダム――」
フレイ「な、なんだって一緒よ!コーディネーターなんだから!」
ラクス「…同じではありませんわ。確かにわたくしはコーディネーターですが、軍の人間ではありませんもの」
キラ達「……」
ラクス「あなたも軍の方ではないのでしょう?でしたら、わたくしとあなたは同じですわね。(手を差し出す)ご挨拶が遅れました。私は――」
フレイ「ちょっとやだ!やめてよ!!」
ラクス「?」
カズイ&
ミリアリア
「……!」
フレイ「冗談じゃないわ!何で私があんたなんかと握手しなきゃなんないのよ!」
ラクス「……?」
フレイ「コーディネーターのくせに、馴れ馴れしくしないで!!」
(「ガーン!」という効果音と共に、画面の色を反転させながらショックを受けるキラ)

ミリアリア「……!」

(AA廊下)

(キラとラクスが歩いている)
ハロ「モシモシ?モシモシ?アラ、テヤンデイ!アソボアソボ!ミトメタクナイ!ミトメタクナイ!」

(AA食堂)
カズイ「フレイってブルーコスモス?」
フレイ「違うわよ!」
ミリアリア「はぁ……」
フレイ「でも、あの人たちの言ってることって間違ってはいないじゃない。病気でもないのに遺伝子を操作した人間なんて、やっぱり自然の摂理に逆らった間違った存在よ(台詞の間にラクスを部屋に戻すキラが映る)本当はみんなだってそう思ってるんでしょ?」
ミリアリア「……」

(AA一室)
ラクス「またここにいなくてはいけませんの?」
ハロ「マイド、マイド!」
キラ「ええ、そうですよ……」
ラクス「つまりませんわ……、ずっと一人で。わたくしも向こうで皆さんとお話しながらいただきたいのに……」
ハロ「コンニチワ」
キラ「これは、地球軍の船ですから。コーディネーターのこと、その、余り好きじゃないって人もいるし……。てか、今は敵同士だし……」
ハロ「ラクスー」
ラクス「残念ですわね……」
ハロ「オマエモナー」
ラクス「でも、あなたは優しいんですのね。ありがとう」
キラ「……」
ラクス「ふふ……」
キラ「僕は……!僕も、コーディネーターですから……」
ラクス「……?」
ハロ「オマエモナー!」

(AAブリッジ)
ロメル「(画面になにか映る)ん?……!艦長!」
マリュー「?」

(AA廊下)
ミリアリア「……(走ってきたトールに寄り添う)」

(AA食堂)
カズイ「……」

(AA廊下)
(トールとミリアリアが何事か話している)

(AAブリッジ)
マリュー「間違いないの!?」
ロメル「間違いありません!これは地球軍第8艦隊の暗号パルスです」
ナタル「追えるのか!?」
ロメル「やってますよ!……解析します!」
通信の声「こちら…8艦隊先遣…モント・ゴメリ。ア…エンジェル、応答……」
マリュー「ハルバートン准将貴下の部隊だわ!」

(辺りに喜びの声があがる)

ノイマン「探してるのか、俺達を!」
ナタル「位置は?」
トノムラ「ホフマン少佐の隊か!」
チャンドラU世「待ってください!」
ロメル「まだかなりの距離があると思われますが」
トノムラ「だが、合流できれば!」
ノイマン「ああ!やっと少しは安心できるぜ!」

(一同笑いあう)

(AA一室の外)
サイ「キラ。……ミリィから聞いた」
キラ「……(黙って顔をそむける)」
サイ「あんまり、気にすんな。フレイには後で言っとく」
キラ「……」
ラクス「静かな〜この夜に〜」

(挿入歌「静かな夜に」)

キラ(回想)「僕は……!僕も、コーディネーターですから……」
ラクス(回想)「……?そうですか。でもあなたが優しいのは、あなただからでしょう?」
キラ(回想)「え……?」
ラクス(回想)「お名前を教えていただけます?」
キラ(回想「あ、キ、キラです。キラ・ヤマト……(顔を赤らめながら)」
ラクス(回想)「そう、ありがとう、キラ様」

サイ「あの子が歌ってるのか?綺麗な声だな……」
キラ「うん……」
サイ「でもやっぱ、それも遺伝しいじってそうなったもんなのかなあ」
キラ「ぁ……」
サイ「さ、行こうぜ!俺達もメシ食わなきゃな」

(挿入歌終了)

(AA食堂)
カズイ「……なんか、つい忘れちゃうけどさ」
フレイ「……?」
カズイ「キラもコーディネーターなんだよね……」
フレイ「……」
カズイ「あんなモビルスーツ、平気で乗れて戦えちゃうんだもんな……(立ち去る)」

(ヴェサリウスブリッジ)
クルーゼ「どうした?」
アデス「地球軍の艦艇と思われますが、こんなところでなにを……」
クルーゼ「……足つきがアルテミスから月の地球軍本部へ向かおうとすれば、どうするかな?」
アデス「ではやはり補給、もしくは出迎えの艦艇、ということも」
クルーゼ「こちらの位置はまだ気づかれてはいないな。ロストするなよ。慎重に追うんだ」
アデス「我々がですか?しかし――」
クルーゼ「ラクス・クラインの捜索も無論続けるさ。だがたった一人の少女のために、あれを見逃す、というわけにもいくまい。私も後世歴史家に笑われたくないしな」

(ヴェサリウスドック側休憩室)
(アスランが無言でドックを見つめている)

(AA近辺)
モント・ゴメリ艦員「方位45、マーク10、アルファへ。進路修正完了。機関60%」

(AA食堂)
避難民1「これでやっと安心ですな」
避難民2「どのくらいで合流できるんですかね」
避難民3「もうこんな船はこりごりだわ」
フレイ「ええ、パパが!?」
サイ「ああ、先遣隊と一緒に来てる」
フレイ「うそぉ……」
サイ「フレイのことは当然知らなかったろうけど、こっちの乗員名簿、さっき送ったからさ」
フレイ「パパが……よかった……(涙ぐみながら)」
サイ「よかったね……」

(AAドック)
キラ「すみません、遅れました」
マードック「ああ、規律ジオメトリのセット値変えておいたから、ちょっと見ておいてくれ」
キラ「はい」
マードック「ま、もう用はねぇかもしんねぇけどな、こいつも」

(無言でストライクを見つめるキラ)

(AA一室)
ハロ「ハロ!ゲンキ?」
ラクス「では問題です。わたくし達はどこへ向かっているのでしょうか?」
ハロ「ハーロー」
ラクス「うふふっ」
ハロ「オコルデー?」

(宇宙を航行するAA)



(ED)



予告「届けられた微かな声。その向こうに見える救いの手に、彷徨う船は喜びの声をあげる。苦難の日々は時の中へ去り、約束されるは前と変わらぬ平穏か。が、再び銃火が空を切り裂くとき、キラは気まぐれな運命を見る。次回、機動戦士ガンダムSEED、消えていく光。決意の一撃を放て、ガンダム!」

[PR]アナタのウラ県民性をチェック:こっそり一人で?ワイワイ皆で?診断しょ