| ヴェサリウス艦員1 | 「誘導ビーコン補足、第4ドックに着艦指示出ました。進入ベクトル合わせ」 |
| ヴェサリウス艦員2 | 「ビーコン補足を確認。進路修正0ポイント、3マーク16、ポイント2デルタ。回頭180度、減速開始」 |
| アデス | 「査問会には、アスラン・ザラもお連れになるので?」 |
| クルーゼ | 「ああ、その場にいた者だしな。彼なら冷静で客観的な分析もできる」 |
| アデス | 「オーブはかなり強い姿勢で抗議してきてるようですが……」 |
| クルーゼ | 「問題は、我々にとって何が重要なのかと言うことだ、アデス」 |
| アデス | 「はぁ」 |
| クルーゼ | 「ヴェサリウスの修理と補給、急げよ。しばしの休暇と言っても、そうくつろいでいる時間はないぞ……おそらくな」 |
| トノムラ | 「再度確認しました。半径5000に、敵艦の反応は捕らえられません。完全にこちらをロストした模様」 |
| マリュー | 「ふぅ……」 |
| フラガ | 「アルテミスがうまく敵の目をくらましてくれたってことかな。だったら、それだけは感謝したいがね」 |
| ナタル | 「しかし……」 |
| マリュー | 「ええ、わかっているわ。ローラシア級がロストしてくれたのは幸いだけど、こちらの問題は何一つ解決していないわ」 |
| フレイ | 「ええー?どうしても?」 |
| サイ | 「そんな、どうしてもとか言われると困っちゃうんだけどさ。でもやっぱ、謝っといたほうがよくない?この場合」 |
| トール | 「お前の一言のおかげで、あいつがとんでもない目にあったことは事実だからな」 |
| フレイ | 「でも、私はただ……」 |
| トール | 「俺たちは慣れちゃってるけどさ、あいつがコーディネーターだってのは。微妙な問題なのさ、この状況じゃね」 |
| サイ | 「とにかく、言うだけは言っときなよ。ごめんってさ。この船の中で気まずいでしょ。顔あわせたときとか」 |
| フレイ | 「うん……サイがそんなに言うんなら言ってもいいけど……」 |
| トール | 「だけどこれからどうなるんだろうなぁ、この船……」 |
| サイ | 「うん……アルテミスでは結局、補給って受けられなかったんだろ?」 |
| トール | 「うん……」 |
| サイ | 「ザフトもまだ、追ってくんのかな……」 |
| クルーゼ | 「ご同道させていただきます、ザラ国防委員長閣下」 |
| ザラ | 「礼は不要だ。私はこのシャトルには乗っていない。いいかね、アスラン」 |
| アスラン | 「わかりました、父上。お久しぶりです」 |
| ザラ | 「リポートに添付してあった君の意見には、無論私も賛成だ。問題は奴らがそれほどに高性能のモビルスーツを開発したと言うところにある。パイロットのことなどどうでもいい」 |
| アスラン | 「……?」 |
| ザラ | 「その箇所は私のほうで削除しておいた」 |
| クルーゼ | 「ありがとうございます。閣下ならそうおっしゃってくださると思っておりました」 |
| ザラ | 「向こうに残してしまった機体のパイロットもコーディネーターだったなどと、そんな報告は穏健派に無駄な反論をさせる時間を作るだけだ。」 |
| クルーゼ | 「君も自分の友人を、地球軍に寝返ったものとして報告するのは辛かろう」 |
| アスラン | 「あ、いえ……あの……」 |
| ザラ | 「奴らは自分達ナチュラルが操縦しても、あれほどの性能を発揮するモビルスーツを開発した。そういうことだぞ。わかるな?アスラン」 |
| アスラン | 「はい……」 |
| ザラ | 「我々ももっと本気にならねばならんのだ。早く戦いを終わらせるためにはな」 |
| トール | 「う!み、水……!!水ぅ!」 |
| ミリアリア | 「あーん、もう……」 |
| トール | 「うむ……!(飲み干して)み、水を!もっと水をー!」 |
| サイ | 「やめなよ、状況に合ってないギャグ」 |
| トール | 「ギャグじゃねえよ!全く……」 |
| フレイ | 「あ……」 |
| サイ | 「え?(離れようとするフレイに近づく)なに?どうしたの?」 |
| フレイ | 「だって……水の使用制限だって昨日シャワー浴びられなかったんだもん……」 |
| 一同 | 「……」 |
| サイ | 「はぁ……」 |
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(キラが入ってくる) | |
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| トール | 「お、ストライクの整備、完了か?」 |
| キラ | 「うん、でも、パーツ洗浄器も余り使えないから、参っちゃうよ。手間ばっかりかかって」 |
| フレイ | 「はぁ……」 |
| サイ | 「フレイ」 |
| フレイ | 「……(不満そうに)あ、あの、キラ?」 |
| キラ | 「え?」 |
| フレイ | 「この間は、ごめんなさい。私考えなしにあんなこと言っちゃって」 |
| キラ | 「あんなこと?」 |
| フレイ | 「アルテミスでキラがコーディネーターだって……」 |
| キラ | 「……!ああ、いいよ別に、そんなこと気にしてないから。ほんとの事だしね」 |
| フレイ | 「ありがとう……(サイを見るが、顔をそむけられる)」 |
| キラ | (でも、ほんとこれからどうするんだろう……。艦長さん達……) |
| ナタル | 「これで精一杯か?もっとマシな進路は取れないのか」 |
| ノイマン | 「無理ですよ、余り地球に軌道を寄せると、デブリ帯に入ってしまいます。こう進路を取れれば、月軌道に上がるのも早いんですが……」 |
| マリュー | 「突破は、無理よね……」 |
| ノイマン | 「デブリ帯をですか!?そりゃ無理ですよ。この速度を維持して突っ込んだら、この艦もデブリの仲間入りです」 |
| フラガ | 「人類が宇宙に進出して以来、撒き散らしてきたゴミの山か……。確かに、仲間に入りたくは……あ、待てよ。デブリ帯か……」 |
| マリュー | 「え……?」 |
| フラガ | 「不可能を可能にする男かな、俺は」 |
| ニュースキャスター | 「(壁のテレビでニュースを流している)では次に、ユニウス7追悼1年式典を控え、クライン最高評議会議長が、声明を発表しました」 |
| クライン | 「あの不幸な出来事は、我々にとって決して忘れることのできない深い悲しみです」 |
| クルーゼ | 「そういえば、彼女が君の婚約者だったな」 |
| アスラン | 「え、あ、はあ……」 |
| クルーゼ | 「ラクス譲は今回の追悼慰霊団の代表も務めるそうじゃないか。素晴らしいことだな」 |
| アスラン | 「はい……」 |
| クルーゼ | 「ザラ委員長とクライン議長の血を継ぐ、君らの結びつき……次の世代にはまたとない光になるだろう。期待しているよ」 |
| アスラン | 「ありがとうございます」 |
| クルーゼ | 「その時代を、今我々は守らねばならん」 |
| アスラン | 「……」 |
| クライン | 「ではこれより、オーブ連合首長国領、ヘリオポリス崩壊についての臨時査問委員会を始める。まずはラウ・ル・クルーゼ、君の報告から聞こう」 |
| クルーゼ | 「はい」 |
| トール | 「補給を!?」 |
| サイ | 「受けられるんですか!?どこで!?」 |
| フラガ | 「受けられると言うか、まあ、勝手に補給するというか」 |
| マリュー | 「私達は今、デブリベルトに向かっています」 |
| トール | 「デブリベルト……?」 |
| サイ | 「……って、ちょっと待ってくださいよ!まさか……」 |
| フラガ | 「君は勘がいいねぇ」 |
| マリュー | 「デブリベルトには宇宙空間を漂う様々なものが集まっています。そこには無論、戦闘で破壊された戦艦などもあるわけで」 |
| トール | 「まさかそっから補給しようって――」 |
| フラガ | 「仕方ないだろう。そうでもしなきゃ、こっちがもたないんだから」 |
| マリュー | 「あなた達にはその際、ポットでの船外活動を手伝ってもらいたいの」 |
| キラ達 | 「………」 |
| ナタル | 「余り嬉しくないのは同じだ。だが他に方法はないのだ。我々が生き延びるためにはな」 |
| キラ達 | 「……」 |
| マリュー | 「失われたものたちを漁りまわろうと言うんじゃないわ。ただ、ほんの少し今私達に必要なものを分けてもらおうというだけ。……生きるために」 |
| キラ | 「……」 |
| クルーゼ | 「以上の経過でご理解いただけると思いますが、我々の行動は決してヘリオポリス自体を攻撃したものではなく、あの崩壊の最大原因はむしろ、地球軍にあるものとご報告いたします」 |
| 議員1 | 「やはり、オーブは地球軍に与していたのか」 |
| 議員2 | 「条約を無視したのはあちらのほうですぞ!」 |
| 議員3 | 「だが、アスハ代表は……」 |
| 議員1 | 「地球に住むものの言葉など、当てになるものか」 |
| ザラ | 「しかし、クルーゼ隊長。その地球軍のモビルスーツ、果たしてそこまでの犠牲を払ってまでも、手に入れる価値のあったものなのかね?」 |
| クルーゼ | 「その驚異的な性能については、実際にその1機に乗り、また取り逃がした最後の機体と交戦経験のある、アスラン・ザラより報告させていただきたく思いますが」 |
| クライン | 「アスラン・ザラよりの報告を許可する」 |
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(待機中のイージスがモニターに映る) | |
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| 議員全員 | 「……!」 |
| アスラン | 「まずイージスと言う名称のついたこの機体ですが、大きな特徴は――」 |
| アスラン | 「以上です」 |
| 議員1 | 「こんなものを作り上げるとは……!ナチュラルどもめ!」 |
| 議員3 | 「でもまだ試作機段階でしょう。たった5機のモビルスーツなど脅威には……」 |
| 議員4 | 「だが、ここまで来れば量産は目前だ。その時になって慌てればいいとでもおっしゃるか?」 |
| 議員2 | 「これははっきりとしたナチュラルどもの意思の現れですよ!奴らはまだ戦火を拡大させつもりなんです!」 |
| クライン | 「(騒ぎ立てる議員に向かって)静粛に、議員方、静粛に」 |
| クルーゼ | 「ふふ……」 |
| アスラン | 「……」 |
| ザラ | 「戦いたがる者などおらん。我らの誰が好んで戦場へ出たがる」 |
| ザラ | 「平和に、穏やかに、幸せに暮らしたい。我らの願いはそれだけだったのです」 |
| キラ | 「……!」 |
| サイ | 「あ……」 |
| ザラ | 「だがその願いを無残にも打ち砕いたのは誰です。自分達の都合と欲望ためだけに、我々コーディネーターを縛り、利用し続けてきたのは!」 |
| キラ | 「あ……!」 |
| ミリアリア | 「……!」 |
| トール | 「これって……!」 |
| ザラ | 「我らは忘れない。あの血のバレンタイン、ユニウス7の悲劇を」 |
| トール | 「大陸……こんなところに?」 |
| キラ | 「ユニウス7……?」 |
| マリュー | 「……!!」 |
| ザラ | 「243721名……それだけの同胞を失った、あの忌まわしい事件から1年……。それでも我々は最低限の要求で戦争を早期に終結すべく、心を砕いてきました。だが、ナチュラルは、その努力をことごとく無にしてきたのです!」 |
| ミリアリア | 「(浮いている死体を見て)きゃぁぁ!!」 |
| キラ | 「……」 |
| ザラ | 「我々は我々を守るために戦う。戦わねば守れないならば、戦うしかないのです!」 |
| クライン | 「……」 |
| キラ | 「あそこの水を!?本気なんですか!?」 |
| ナタル | 「あそこには1億トン近い水が凍りついているんだ」 |
| キラ | 「でも!ナタルさんだって見たでしょう!?あのプラントは、何十万人もの人が亡くなった場所で……!それを……!」 |
| マリュー | 「水は、あれしか見つかっていないの」 |
| フラガ | 「誰も、大喜びしてるわけじゃない。水が見つかったー!ってよ……」 |
| キラ | 「フラガ大尉……」 |
| フラガ | 「誰だってできればあそこに踏み込みたくはないさ。けどしょうがねぇだろう。俺達は生きてるんだ!ってことは、生きなきゃなんねぇってことなんだよ!」 |
| キラ達 | 「……」 |
| クライン | 「アスラン」 |
| アスラン | 「クライン議長閣下」 |
| クライン | 「そう他人行儀な礼をしてくれるな」 |
| アスラン | 「いえ、これは……」 |
| クライン | 「ようやく君が戻ったと思えば、今度はラクスが仕事でおらん。全く、君らはいつ会う時間が取れるのかな」 |
| アスラン | 「はぁ、申し訳ありません」 |
| クライン | 「私に謝られてもな。しかし、また大変なことになりそうだ。君の父上の言うことも、わかるのだがな……」 |
| クルーゼ | 「アスラン・ザラ!あの新造艦とモビルスーツを追う」 |
| アスラン | 「……?」 |
| クルーゼ | 「ラコーニとポルトの隊が、私の指揮下に入る。出港は72時間後だ」 |
| アスラン | 「は!」 |
| クルーゼ | 「失礼いたします、クライン議長閣下(アスランと共にその場を去る)」 |
| クライン | 「我々にはそう時間はないのだ。いたずらに戦火を拡大してどうする?」 |
| ザラ | 「だからこそ許せんのです。我々の、邪魔をするものは」 |
| ザラ(回想) | 「我々は我々を守るために戦う。戦わねば守れないならば、戦うしかないのです!」 |
| マリュー | 「後どのくらい?」 |
| トノムラ | 「4時間ってとこですかね。弾薬の方は後1往復で終了ですが」 |
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(辺りを探索するストライク) | |
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| キラ | 「民間船?撃沈されたのか、これ……。……!強行偵察型複座のジン!なんでこんなところに……。アークエンジェルが見つかって応援を呼ばれたらアウトだ……!」 |
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(ジンをロックオンする) | |
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| キラ | (行け……行ってくれ……!そのまま……。よし) |
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(ミストラルがジンに見つかる) | |
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| キラ | 「あ!馬鹿野郎、なんで気づくんだよ!!」 |
| チャンドラII世 | 「ザフトの!?」 |
| カズイ | 「うわぁ!」 |
| キラ | (僕は……!) |
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(ジンの射撃がミストラルをかすめる) | |
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チャンドラII世 &カズイ | 「うわああ!!」 |
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(ストライク、ジンを撃墜する) | |
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| キラ | 「ああ……あ……!」 |
| カズイ | 「ありがとう、キラ……」 |
| チャンドラII世 | 「マ、マジ死ぬかと思ったぜ!」 |
| フラガ | 「ボウズ、どうし――」 |
| キラ | 「……(通信を切る)……ぐっ!ううっ……う……!(レーダーに反応)!救命ポット……?」 |
| ナタル | 「つくづく君は、落し物を拾うのが好きなようだな」 |
| マードック | 「開けますぜ」 |
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(銃を構えるAA下士官達。開くポット) | |
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| ハロ | 「ハロ!ハロ!ハロ、ラクス、ハロ!」 |
| ラクス | 「ありがとう、ご苦労様です」 |
| 一同 | 「……」 |
| キラ | 「……」 |
| 予告 | 「ナチュラルであること、そしてコーディネーターであること。それは、自ら選んだわけではない運命。それぞれの進む道は、次々と枝を広げ、揺れる。運命を選び取り、歩むものたちの上に響くのは、癒しの歌か。次回、機動戦士ガンダムSEED『敵軍の歌姫』。流れる歌の向こうに、何を見るのか、ガンダム!」 |