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機動戦士ガンダムSEED PHASE-05「フェイズシフトダウン」

脚本:こぐれ今日子 両澤千晶



(前回の回想)
マリュー「状況が厳しいのはわかっています。でも、投降はできません!」
クルーゼ「あの艦はどうあっても逃すわけにはいかんよ」
ロメル「目標は、かなりの高速で移動。横軸で本艦を追い抜きます」
フラガ「ちぃ、読まれてるんだ!先回りして、こっちの頭を押さえるつもりだぞ!」
マリュー「エンジン始動!同時に特装砲発射!目標、前方ナスカ級!」
フラガ「今、この艦を守れるのは、俺とお前だけなんだぜ」
キラ「キラ・ヤマト、ガンダム行きます!」



(OP)




(AAブリッジ)
チャンドラII世「後方より接近する熱源3!距離、67!モビルスーツです!」
マリュー「来たわね……!」
ナタル「対モビルスーツ戦闘、用意!ミサイル発射管、13番から24番、コリントス装填!リニアキャノン、バリアント、両舷起動!目標データ入力、急げ!」
チャンドラII世「機種特定、これは……Xナンバー、デュエル、バスター、ブリッツです!」
ナタル「なに!?」
それ以外の人達「え!?」
マリュー「奪ったGを、全て投入してきたと言うの……?」
ナタル「……」

(宇宙)
アスラン「……!」
キラ「!一機……!」
フラガ(回想)「とにかく、艦と自分を守ることだけを考えるんだぞ」
キラ(守るって言ったって……!)
アスラン「キラ……!」
キラ「あのモビルスーツ……アスラン!?」

イザーク「ヴェサリウスからはもうアスランが出ている!遅れを取るなよ!」
ディアッカ「ふん、あんな奴に!」

(AAブリッジ)
チャンドラII世「敵、モビルスーツ群散開!」
マリュー「迎撃開始!CIC、なにをしているの!」
ナタル「……!レーザー照準、いいか!」
チャンドラII世「はい!」
ナタル「ミサイル発射管、13番から18番、てーっ!……7番から12番、スレッジハマー装填!19番から24番、コリントス、てーっ!」

(宇宙)
キラ「……!」
アスラン「キラ!」
キラ「アスラン!?」
アスラン「やめろ、剣を引け!キラ、僕たちは敵じゃない。そうだろう!?なぜ僕たちが戦わなくちゃならない!」
キラ「アスラン……!」
アスラン「同じコーディネーターのお前が、なぜ僕たちと戦わなくちゃならないんだ!」
キラ「……」

イザーク「ディアッカとニコルは船を、俺はアスランとモビルスーツをやる!」
ニコル「わかりました!」

(ミサイルを迎撃するブリッツ、バスター)

ディアッカ「えぇ!?」
イザーク「文句はなしだ、ディアッカ!でかい得物だろ?」
ディアッカ「チッ!」
ナタル「バリアント、てーっ!」
ニコル&ディアッカ「!!」

キラ「アークエンジェルが!」
アスラン「やめろ、キラ!」
キラ「アスラン!」
アスラン「お前がなぜ地球軍にいる!?なぜナチュラルの味方をするんだ!!」
キラ「僕は地球軍じゃない!」
アスラン「!」
キラ「けど、あの船には仲間が、友達が乗ってるんだ!君こそ、なんでザフトになんか!なんで戦争をしたりするんだ!!」
アスラン「……!」
キラ「戦争なんか嫌だって、君だって言ってたじゃないか!その君がどうしてヘリオポリスを!!」
アスラン「状況もわからぬナチュラルどもが……こんなものを作るから!」
キラ「ヘリオポリスは中立だ!僕だって……なのに……!あ!」

(デュエルのビームをかわすストライク)

イザーク「なにをもたもたやっている、アスラン!!」
アスラン「イザークか……!?」
キラ「X-102デュエル……じゃあこれも!」

マリュー
「回避行動を取りつつ、加速最大!」
ナタル「アンチビーム爆雷、発射!イーゲルシュテルン、敵を艦に近づけるな!ヘルダートは、自動発射にセットしろ!」
ニコル「く……!!」
ディアッカ「ええい!」
ブリッジクルー全員「うわああ!!」
避難民「……!?」
フレイ「なによこれ!なによこれ!?」

イザーク「ちぃ、ちょこまかと!逃げの一手かよ!!」
キラ「!……(無言でビームを撃つ)」

ディアッカ「くそ!なかなかの武装じゃないか……!取り付けない」
ニコル「艦底部から仕掛けます!援護を!」
ディアッカ「わかった!」
チャンドラII世「敵モビルスーツ、艦底部へ展開!」
ナタル「底部イーゲルシュテルン、迎撃開始!」
マリュー「ゴットフリートを使う!左ロール角30、取り舵20!」
ノイマン「左ロール角30、取り舵20!」
フレイ「きゃああああ!!いやあああ!」

ヴェサリウス艦員「敵戦艦、距離740に接近!ガモフより入電、本艦に置いても確認される敵戦力は、モビルスーツ一機のみということです」
クルーゼ「あのモビルアーマーはまだ出られんと言うことか」
アデス「そう考えてよいのでは」
クルーゼ「ふん……」

キラ「くそ!くそ!!くそぉぉ!!(ビームを撃ちまくる)」
イザーク「そんな戦い方で!」
キラ「あ!」
アスラン「……(潤んだ目で戦いを見つめる)」

フラガ(……まだか……)

(ヴェサリウス)
ヴェサリウス艦員「敵戦艦、距離630に接近!まもなく、本艦の有効射程距離圏内に入ります!」
クルーゼ「こちらからも攻撃開始だ」
アデス「モビルスーツが展開中です。主砲の発射は……」
クルーゼ「友軍の艦砲に当たるような間抜けはいないさ。向こうは撃ってくるぞ」
アデス「……主砲、発射準備!照準、敵戦艦!」
ヴェサリウス艦員「主砲、発射準備!照準、敵戦艦!」

(宇宙)
イザーク「てやぁ!!」
キラ「はぁ……はぁ……!!」
ディアッカ「イザーク!(ビーム砲発射)」
キラ「!?」

フラガ(捕まえた……!)

(AAブリッジ)
チャンドラII世「前方ナスカ級より、レーザー照射感あり!本艦に照準、ロックされます!」
ナタル「……艦長!」
マリュー「……」
ナタル「ローエングリン、発射準備!」
マリュー「待って!大尉のゼロが接近中です!回避行動を!」
ナタル「危険です!撃たなければ撃たれる!」
マリュー「……!」
チャンドラII世「後方ローラシア級、急速接近!」

(宇宙)
ディアッカ「なにやってるんだ、アスラン、イザーク!頭を押さえる!」
アスラン「ディアッカ!」
ニコル「アスラン!」

フラガ「うおりゃー!!」
クルーゼ「機関最大!艦首下げ、既知角60!!」
アデス「は!?」
ヴェサリウス艦員「本艦底部より接近する熱源、モビルアーマーです!」
アデス「……!シールス作動!機関最大!艦首下げ、既知角60!!」

(ゼロの射撃がヴェサリウスに直撃する)

(ヴェサリウスブリッジ)
アデス「うぉ……!!」
フラガ「いよっしゃーー!!」
ヴェサリウス艦員1「機関部損傷大!艦の推力低下!」
ヴェサリウス艦員2「敵モビルアーマー離脱!」
アデス「撃ち落とせぇぇぇ!!!」
ヴェサリウス艦員2「第5ナトリウム壁損傷!火災発生!」
ヴェサリウス艦員1「ダメージコントロール、隔壁閉鎖!」
クルーゼ(ムウめ……!)
クルーゼ「離脱する!アデス、ガモフに打電!」



(アイキャッチ)




(AAブリッジ)
トノムラ「フラガ大尉より入電、作戦成功これより帰投する!」
ブリッジクルー「おぉ……!」
マリュー「ふぅ……機を逃さず、前方ナスカ級を討ちます!」
ナタル「ローエングリン、1番2番、正射用意!」
マリュー「フラガ大尉に空域離脱を打電!ストライクにも射線上から離れるよう言って!」
チャンドラII世「陽電子バンクチェンバー臨界!バジル上部電位、安定しました!発射口、開放!」

(宇宙)
キラ「はぁ……はぁ……」
ニコル&アスラン「!」
イザーク「ヴェサリウスが被弾!?」
ニコル「なぜ!?」
ディアッカ「俺たちに撤退命令!?」

(ストライク離脱)

イザーク「しまった!」

(ローエングリン発射)

フラガ「うひょー!」

ヴェサリウス艦員1「熱源接近、方位0.0.0!着弾まで、3秒!」
クルーゼ「右舷スラスター最大!かわせ!!」

(ヴェサリウス被弾。閃光に散る機関部員達)

クルーゼ「ええい……!」

チャンドラII世
「ナスカ級、本艦進路上より離脱!」
マリュー「ストライクへ帰艦信号!アークエンジェルはこのまま最大戦速でアルテミスへ向かいます!」

キラ「!」
イザーク「帰艦信号!?させるかよ!こいつだけでも!」
アスラン「イザーク、撤退命令だぞ!」
イザーク「うるさい!腰抜けぇ!」
アスラン「くっ……!」
キラ「くそ、これじゃあ……!」
アスラン「……」

ミリアリア「キラ!」
トノムラ「囲まれてます、これでは!」
マリュー「援護して!」
ナタル「この混戦では無理です!」
チャンドラII世「ストライクとの距離、開きます!」
トール「キラ……!」
ナタル「ストライクのパワー残量が心配です」
マリュー「わかってるわ。フラガ大尉は!?」
フラガ「戻れない?ちぃ、あの馬鹿!」

(バスターの砲撃を受けるストライク)

キラ「うわぁぁぁぁぁ!!」
イザーク「てやぁぁぁぁぁ!!(ビームサーベル2刀流でせまる)」
キラ「!く……パワー切れ!?しまった、装甲が!!」
イザーク「もらったぁ!!」
キラ&イザーク「!!」
アスラン「くぅぅ!!」
キラ「うぐ!!」

(変形してストライクを鷲づかみにするイージス)

ミリアリア「キラ!」
マリュー&ナタル「!?」
チャンドラII世「捕獲された……ストライク、イージスに捕獲されました!フェイズシフト、ダウン!」
ブリッジクルー「……!」

イザーク
「なにをするアスラン!!」
アスラン「この機体、捕獲する!」
イザーク「なんだと!?」
ディアッカ「命令は撃破だぞ!勝手なことをするな!」
アスラン「捕獲できるものならその方がいい。撤退する!」
イザーク「アスラーーーン!!くそぉ……あいつ……!!」

チャンドラII世
「ローラシア級、280に接近!」
ナタル「艦長!!」
マリュー「……」
ミリアリア「キラ!キラ!!応答して!!」
トノムラ「フラガ大尉より入電!……ランチャーストライカー、カタパルト射出、準備せよ……?」
ナタル「なに?」

フラガ
「間に合えよ、ボウズ!!」
キラ「アスラン!どういうつもりだ!?」
アスラン「このままガモフへ連行する」
キラ「ふざけるな!僕はザフトの船になんかいかない!」
アスラン「お前はコーディネーターだ。僕たちの仲間なんだ」
キラ「違う!僕はザフトなんかじゃ――!!」
アスラン「いい加減にしろ、キラ!!このまま来るんだ……!でないと僕は、お前を撃たなきゃならなくなるんだぞ!!(手が震えている)」
キラ「アスラン……」
アスラン「血のバレンタインで母も死んだ。僕は――!っ!」

(メビウスゼロの一斉射撃。一発がイージスに被弾)

アスラン「ううぐ!!」
フラガ「ボウズ!」
キラ「フラガ大尉!」
ディアッカ「モビルアーマー!?」
ニコル「アスラン!」
アスラン「うぐ!ぐうう……!!くそ!(被弾のため、変形を解除)」
キラ「!」
フラガ「離脱しろ!アークエンジェルが、ランチャーを射出する!」
キラ「え……!?」
フラガ「後ろにも、まだでかいのがいるんだぞ!早く装備を確保!」
キラ「……(黙って顔をそむける)」

(AAの友人達が脳裏に映し出される)

キラ「わかりました……!」
アスラン「キラ!!」
イザーク「あいつが……!」
ディアッカ「あの馬鹿!」

ナタル「ストライクに近づけさせるな!」
マリュー「マードック軍曹、準備は!?」
マードック「いつでも!しかし、無茶ですぜこんなのぁ。途中で落とされちまったら――!」
マリュー「無茶は承知よ!やるしかないの!」
マードック「……っ」
マリュー「バジルール少尉、タイミングは任せます」
ナタル「了解!艦のコントロール、こちらへ!レーザーデジネーター、オンライン!ストライクとの相対速度合わせ!カタパルトの射出モーメント制御を、ランチャーストライカーのコンピュータに渡せ!」

フラガ「おおっと!俺がやられちゃ話んなんねぇ!」
ニコル「アスラン!(援護射撃)」

ディアッカ「(合体砲発射)イザーク!」
イザーク「させるかよ!!」
チャンドラII世「デュエル接近!」
ブリッジクルー「……」
トノムラ「ストライク、軸線に乗りました!」
ナタル「カタパルト、射出!」
キラ「……来た!!」
イザーク「(ニヤリと笑ってビームライフルを構える)」
キラ「ロックされた!?」

(デュエル、ライフル下のグレネード発射)

トール「キラぁ!」
ナタル&ミリアリア
&サイ&マリュー
「!」

(ミサイルの閃光で辺りが輝く)

ブリッジクルー「……!」
イザーク「……やったか!?……なにぃ!?」

(デュエルの右腕が、アグニによって溶解する)

キラ「うおおおおおおおおお!!」
イザーク「くぅぅ……!」
アスラン「退け、イザーク、ディアッカ!これ以上の追撃は無理だ!」
イザーク「なにぃ!?」
ニコル「アスランの言うとおりです。このままだと、今度はこっちのパワーが危ない!」
イザーク「……!!ぐぅ!!(ストライクの移るモニターを殴打)」

チャンドラII世「敵モビルスーツ軍、離脱しました!」
マリュー「ふぅ……」

(ガモフ)
アスラン「ぐ!くぅ……」
イザーク「貴様ぁ!どういうつもりだ!!お前があそこで余計な真似をしなければ!」
ディアッカ「とんだ失態だよな。あんたの命令無視のおかげで」
アスラン「……(黙って顔をそむける)」
ニコル「……!なにやってるんですか!やめてください!こんなところで!」
イザーク「4機でかかったんだぞ!それで仕留められなかった。こんな屈辱があるか!!」
ニコル「だからと言って、ここでアスランを責めてもしかたないでしょう!」
イザーク「く!(ディアッカと共に部屋を去る)」
ニコル「アスラン……。あなたらしくないとは、僕も思います。でも――!」
アスラン「今放って置いてくれないか……ニコル……。(部屋を出て、壁面を殴打)……!!……キラ……!」

(AA)
マードック「おーい!こらボウズ!」
フラガ「あぁ?どうした?」
マードック「いやぁ、なかなかボウズが出て来ねぇんで……」
フラガ「おやおや……。おい!なにやってんだ!こらぁ、キラ・ヤマト」
キラ「はっ……はっ……はっ……はっ……!!」
フラガ「もう終わったんだ。ほらもう、とっとと出て来いよ(操縦レバーからキラの手を離させる)お前も俺も死ななかった。船も無事だ。上出来だったぜ」
キラ「……!はぁ……はぁ……」

フレイ「ううっ……!サイの馬鹿!馬鹿馬鹿馬鹿ぁ!うう……怖かった!凄く怖かったのよ、あたし……船が凄く揺れるし……あたし一人で……うわああ……」
サイ「……」
フレイ「ううっ……」

ロメル「アルテミス、本艦の受け入れ要請を了承。臨検官を送る、とのことです」
マリュー「わかったわ。ありがとう。……ふぅ……」

(ヴェサリウス)
ヴェサリウス艦員「クルーゼ隊長へ。本国からであります」
クルーゼ「……。ふん……」
アデス「評議会からの出頭命令ですか。そんな、あれをここまで追い詰めておきながら……!」
クルーゼ「ヘリオポリス崩壊の件で、議会は今頃てんやわんやと言ったところだろう。まあ、仕方ない。あれはガモフを残して、引き続き追わせよう」
アデス「はっ……!」
クルーゼ「アスランを帰投させろ。修理が終わり次第、ヴェサリウスは本国へ向かう」

キラ「……!」
フラガ「ちょっとぉ、言い忘れてた」
キラ「はい…」
フラガ「ストライクの起動プログラムをロックしておくんだ。君以外、誰も動かすことはできないようにな……」
キラ「え?」

マリュー「ごくろうさまです。本艦の要請受領を感謝いたします」

(傘の中に入るアークエンジェル)

(アルテミス内)
フレイ「わぁ……」
サイ「光波防御帯って言うんだって。別名、アルテミスの傘。レーザーも通さない、絶対防御兵器なんだとさ」
フレイ「よかった……これでもう私達、助かったのね!」
サイ「ああ!」

(アークエンジェルを銃を持った兵士達が包囲する)

ナタル「艦長!?」
トール「なんだよ、これは!」
マリュー「少佐殿!」
ビダルフ「お静かに願いたい、艦長殿」



(ED)




予告「宇宙(そら)に輝く美しき光、アルテミスの傘。が、その裏側にひしめくのは身勝手な思惑と欲望。望まぬ戦いを繰り返してまで求めた場所で、戦争の実体を子供達は改めて知る。動き始めた運命の針は、止めようもなくキラを、どこへ向かわせようと言うのか。次回、機動戦士ガンダムSEED『消えるガンダム』。見えない未来に、立ち向かえガンダム!」